サステナブルアパレル業界には多くの専門用語や概念があります。このページでは、業界を理解するために必要な重要用語を9つのカテゴリーに分類し、分かりやすく解説しています。
1. サステナブルファッション
- オーガニックコットン
- 3年以上農薬や化学肥料を使用していない土地で有機農法により栽培された綿花。水使用量を最大91%、CO2排出量を最大46%削減できる環境配慮型素材として注目されています。
- GOTS認証
- Global Organic Textile Standardの略で、オーガニック繊維製品の国際認証基準。製品の70%以上がオーガニック繊維である必要があり、製造工程全体で厳格な環境・社会基準を満たすことが求められます。
- サーキュラーエコノミー
- 「作る・使う・捨てる」という従来の直線型経済モデルから、「作る・使う・再生する」という循環型経済モデルへの転換を目指す概念。2030年までに年間5000億ドルの経済価値創出が予測されています。
- バンブーファブリック
- 成長速度が極めて速く農薬をほとんど必要としない竹を原料とする革新的繊維。1日最大1メートル成長し、天然の抗菌性と綿の3-4倍の吸湿性を持つ特性があります。
- リサイクルポリエステル
- 使用済みペットボトルや繊維廃棄物を原料として再生された繊維素材。新規石油資源への依存を削減し、エネルギー消費量を59%、CO2排出量を32%削減することができます。
2. 認証・基準
- B Corp認証
- 企業が社会と環境に対する責任を果たしていることを証明する国際認証制度。利益追求だけでなく、従業員、地域社会、環境への配慮を経営の中心に据える企業に与えられます。
- GRS認証
- Global Recycled Standardの略で、リサイクル素材の含有量と製造工程の持続可能性を保証する国際認証。製品に20%以上のリサイクル素材が含まれることを検証します。
- エシカルファッション
- 環境保護、労働者の権利、動物福祉など、倫理的な観点から生産・販売されるファッションの総称。フェアトレード、オーガニック素材使用、適正な労働環境の確保などが含まれます。
- トレーサビリティ
- 製品の原材料調達から製造、流通、販売までの全過程を追跡できる仕組み。ブロックチェーン技術の活用により、サプライチェーンの透明性が確保され、消費者の信頼獲得につながります。
3. 循環型ビジネスモデル
- Design for Circularity
- 製品設計の段階から循環利用を前提とした設計手法。修理しやすい構造、素材の分離が容易な設計、リサイクル可能な素材の選択などを重視します。
- Product as a Service
- 製品を販売するのではなく、サービスとして提供するビジネスモデル。レンタル、サブスクリプション、シェアリングなどの形態で、製品の長期使用と循環利用を促進します。
- アップサイクル
- 廃棄物や不要品に新たな価値を付加して、元の製品よりも高品質な製品に生まれ変わらせる取り組み。単なるリサイクルを超えて、創造的な価値創出を目指します。
- ケミカルリサイクル
- 化学的処理により繊維を分子レベルまで分解し、新たな原料として再生する技術。混紡素材のリサイクルを可能にし、品質を維持したまま繰り返し再生できる利点があります。
- 拡大生産者責任
- 製品の生産者が、製品のライフサイクル全体、特に廃棄段階における環境負荷に対して責任を負う考え方。回収・リサイクルシステムの構築を促進します。
4. 環境影響評価
- カーボンフットプリント
- 製品やサービスのライフサイクル全体で排出される温室効果ガスの総量をCO2換算で表した指標。原材料調達から製造、輸送、使用、廃棄までの全過程を評価します。
- ウォーターフットプリント
- 製品の生産に必要な水の総使用量を示す指標。直接使用する水だけでなく、原材料生産に使われる水も含めて算出され、水資源への影響を可視化します。
- 生物多様性
- 地球上の生物の多様性を指す概念。サステナブルアパレルでは、農薬不使用の栽培や持続可能な原材料調達により生態系保全に貢献することが重視されています。
- 環境損益計算書
- 企業活動が環境に与える影響を金銭価値で評価し、財務諸表として表現する手法。Environmental Profit & Loss(EP&L)とも呼ばれ、環境コストの可視化に有効です。
5. 素材技術
- バイオベース素材
- 植物などの再生可能な生物資源を原料とする素材。トウモロコシやサトウキビから作られるポリ乳酸繊維、キノコから作られるレザー代替素材MYLOなどが注目されています。
- 天然染料
- 植物、鉱物、昆虫など自然界に存在する素材から抽出される染料。合成染料と比較して環境負荷が低く、独特の風合いと色調が得られます。
- 再生セルロース繊維
- 木材パルプなどのセルロースを溶解・再生して作られる繊維。リヨセル(テンセル)やモダールなどがあり、ドレープ性と吸湿性に優れた特性を持ちます。
- 防水透湿素材
- 水を通さず蒸気は通す機能性素材。従来はフッ素系化学物質を使用していましたが、環境配慮型の代替技術の開発が進められています。
6. 流通・販売モデル
- ダイレクト・トゥ・コンシューマー
- メーカーが小売店を介さず消費者に直接販売するビジネスモデル。D2Cとも呼ばれ、中間マージンの削減と顧客との直接的な関係構築が可能になります。
- レンタル・サブスクリプション
- 衣類を購入するのではなく、月額料金で借りられるサービス。定期的に新しい服を楽しめる一方、製品の長期使用と循環利用を促進します。
- リセールプラットフォーム
- 中古衣類の売買を仲介するオンラインサービス。製品の寿命を延ばし、廃棄物削減に貢献するとともに、手頃な価格でブランド品を入手できる機会を提供します。
- ポップアップストア
- 期間限定で出店される仮設店舗。固定費を抑えながら消費者と直接接点を持ち、ブランド認知度向上とマーケティングデータ収集が可能になります。
7. 労働・社会的側面
- フェアトレード
- 発展途上国の生産者に適正な価格を保証し、労働環境の改善を支援する貿易の仕組み。原材料調達における公正性と透明性を確保します。
- リビングウェイジ
- 労働者とその家族が健康的で文化的な生活を送るために必要な賃金水準。最低賃金を上回る水準に設定され、サプライチェーンにおける労働者の生活改善を目指します。
- サプライチェーン透明性
- 原材料調達から製造、流通までの全過程における情報開示。労働環境、環境負荷、調達先などを公開することで、企業の説明責任を果たします。
- 児童労働撲滅
- アパレル産業における児童労働の根絶を目指す取り組み。国際労働機関(ILO)の基準に基づき、監査と教育支援を通じて実現を図ります。
8. 消費者行動
- コンシャス・コンシューマー
- 環境や社会への影響を意識して購買行動を行う消費者。製品の価格や品質だけでなく、生産過程の倫理性や環境負荷を重視します。
- スローファッション
- 大量生産・大量消費のファストファッションに対する概念。長く使える質の高い製品を選び、流行に左右されない持続可能な消費スタイルを目指します。
- ワードローブ監査
- 自身が所有する衣類を見直し、本当に必要なものだけを残す取り組み。無駄な購入を減らし、既存の服を最大限活用することで環境負荷を削減します。
- グリーンウォッシング
- 実際には環境配慮が不十分なのに、あたかも環境に優しいかのように見せかけるマーケティング手法。消費者の誤解を招き、真の持続可能性を阻害する問題として指摘されています。
9. 革新的取り組み
- ゼロウェイスト設計
- 製品の設計・製造段階で廃棄物をゼロにすることを目指す取り組み。裁断時の端切れを最小化するパターン設計や、製造工程での廃材の完全活用を追求します。
- オンデマンド生産
- 注文を受けてから生産を開始する方式。在庫を持たないことで過剰生産と廃棄を防ぎ、消費者のニーズに正確に応えることができます。
- デジタルファッション
- 物理的な衣類ではなく、デジタル空間でのみ存在するバーチャル衣類。SNSやメタバースでの使用を想定し、物理的な資源を一切使用しない究極のサステナブルファッションとして注目されています。
- ブロックチェーントレーサビリティ
- ブロックチェーン技術を活用した製品追跡システム。改ざん不可能な記録により、原材料の産地から最終消費者まで完全な透明性を実現します。